コスモウォーターの買収と今後について

2015年10月15日にオリックスがコスモライフを買収すると発表されました。買収価格は200億円との事。
コスモライフはコスモウォーターの運営会社で近年急速にシェアを拡大していました。
この買収はユーザーにとっては朗報だと考えてよいでしょう。

以下、オリックス公式サイトよりプレスリリースの抜粋です。

オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:井上 亮)は、本日、宅配天然水の製造・販売大手の株式会社コスモライフ(本社:兵庫県加古川市、社長:織田 達也)の発行済み全株式を譲り受けましたのでお知らせします(*1)。

 コスモライフは、1988年設立で、2005年より宅配水事業を手がける業界大手企業です。回収不要な使い切り容器で天然水を配送する”ワンウェイ方式(*2)”のパイオニアとして、「コスモウォーター」のブランド名でサービスを展開しています。厳選された国内3カ所の銘水地より、成分の異なる”選べる天然水”を提供するとともに、ボトル設置の負荷が少ない”ボトル下置きタイプ”のサーバーを業界で初めて開発するなどの差別化を図ることで、首都圏を中心にワンウェイ方式では業界トップクラスである30万件以上(OEMを含む)の顧客数を誇ります。

 オリックスは、本譲り受けにともないコスモライフの経営全般に参画し、さらなる発展をサポートします。新社長を含む新たな経営体制を構築するとともに、オリックスが持つ専門性や事業プラットフォームを生かし、全国での販売代理店ネットワーク構築や海外展開支援など、企業価値向上に向けた施策の立案・実行をサポートすることで、コスモライフの従業員と協働してさらなる成長を目指します。

 宅配水市場は、2011年の大震災を機に急成長しており、現在の市場規模は約1,200億円といわれています(*3)。中でも、使い切りボトルで給水時に空気を取り込まない”ワンウェイ方式”は衛生面の評価も高く、この4年間で契約世帯数が約100万件増加しています。健康意識の高まりもあり、今後もさらなる市場拡大が見込まれています。また、安全性の高い”日本ブランドの天然水”は、中国をはじめアジア各国での需要が期待されています。

 オリックスは、今後も、安定した事業基盤と質の高いサービスを有し、さらなる発展が期待できる企業への成長支援を積極的に行ってまいります。

(*1) コスモライフがこれまで手がけてきた宅配水事業以外の介護用品販売事業などは、本譲り受け前に株式会社メディカルケア(本社:兵庫県加古川市、社長:織田 達也)に承継する会社分割を行っており、引き続き創業家にて経営を継続しています。
(*2) 宅配水事業者は配送方式別に、天然水を中心に採水地より宅配便を利用して使い切り容器を配送する”ワンウェイ方式”と、RO水(水道水などの取水をReverse Osmosis(逆浸透)膜でろ過した純水)を中心に自社物流網を活用して再利用容器にて配送・回収を行う”リターナブル方式”に分類されます。
(*3) 出典:一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会「日本市場の宅配水業界推定規模」

との事で、コレでまた一つ巨大企業にウォーターサーバーが会社が買収されたことになります。この業界で買収といえば2014年にクリティアを運営するウォーターダイレクト(東証2部)が光通信に買収されました。光通信は買収前からクリティアと業務提携をしており、順調に事業規模を拡大させていましたので順当な買収だったといえるでしょう。
光通信の顧客層とクリティアの顧客層はおそらく似通っているため、相乗効果も見込まれます。

ではオリックスはどうでしょうか?
オリックスは言わずもがなリース超大手企業です。ウォーターサーバーとは全く関係のない事業体です。巨大企業ですからどこかの部門では水ビジネスを展開しているかもしれませんが・・・どうなのでしょうか?

しかも買収の時期が10月ということ。
ウォーターサーバーの繁忙期がちょうど終わった時期です。高値づかみをしていないのか。

管理人はこの買収には懐疑的です。株式市場は好感して株価が上がったようですが果たしそうなのでしょうか?
リリースには、オリックスが持つ事業プラットホームを利用して代理店展開や販売計画をサポートするとありますが、どの様に代理店展開を考えているのか・・・余計なお世話ですね。。。
オリックスはレンタカー事業を運営しているので、そのノウハウを利用してフランチャイズ展開をするのかな?などと思いますが、ウォーターサーバーの販売代理店は通常のフランチャイズ加盟の経営者層とは異なるためかなり苦戦を強いられることになるでしょう。

また、コスモウォーターの得意なワンウェイ事業モデルは販売店代理店にはあまり有利にならないことが想定されます。ワンウェイタイプのウォーターサーバーの場合、一般的には顧客獲得件数に対して獲得報酬が発生し、それが販売店の利益になります。獲得した顧客は基本的にはコスモウォーター本体の顧客となり、販売代理店には帰属しません。その為、代理店の報酬発生は獲得報酬のみとなり継続的な報酬は発生しない仕組みです。

NTT光回線系の営業会社事業モデルのように、営業力の高い会社が実施するには良いのですが、そうでない会社が運営すると経費倒れになります。では継続報酬を支払う報酬体系にて販売代理店組織を運営すればよいのですが、そうなると初回の契約報酬が低くなり販売店としては旨味がなくなります。ウォーターサーバーはNTT光回線ほど利益率が高くないため実施は難しいでしょう。

ですから、オリックスが今後コスモウォーターの販売代理店を開拓する際にはそのような事業モデルではなく、コスモウォーターからOEM供給受け自社ブランドにて事業展開をする会社を模索することになるはずです。必然的にある程度の事業規模がないと事業運営が出来ませんので大きな会社が対象となります。想定ですが、リース契約を結んでいる大手企業に話を持ってゆくことになるはずです。
しかし、大きな会社が取り組むにはウォーターサーバーは売上高が低すぎるので魅力がありません。しかし初期等にはそれなりに資金必要で販促コストが高騰している現在では、回収期間が長過ぎます。
一度顧客ができれば安定的に売上が上がるビジネスモデルですが、それまでには長い年月が必要となり一般的な企業では採用できないビジネスモデルです。

長い初期投資に免疫のある業界がターゲットです。例えばインフラ系の会社。
鉄道会社の参入は今後増えそうですね。商業施設を展開している例も多いので販促イベントも積極的に開催できるというメリットがありますし、会員顧客を抱えているケースも多いので既存ユーザーへのアクセスも容易です。実際に幾つかの鉄道会社が事業参入しているようです。

でも・・・多分鉄道会社はあまり事業を大きくすることは出来ないでしょう。待ちの営業がメインの事業母体である鉄道会社はこの手の事業には不向きです。いくら既存顧客がいるからといってもDMを送った程度で申し込んでくれるほど顧客はお人好しではありません。それに同じお水なら自社ブランドよりもコスモウォーターを選ぶでしょう。

とは言え、ウォーターサーバー業界にはまだまだ成長のポテンシャルがあると考えています。現在の普及率が5%程度ですが、うまく行けは10%も超えられるのではないかと、くまおさんは考えています。

国内需要はまだまだ伸びる余地がありますが、圧倒的なパワープレイヤーがいないため近年停滞しています。そんな中コスモウォーターはほぼ一人勝ち状態で顧客数を伸ばしていますので、オリックスの食指が動いたのでしょう。
交渉は数ヶ月以上あったと思いますが、春先から夏場にかけてはウォーターサーバーは繁忙期で業績も順調に上がります。また、この夏はどもメーカーも目新しい企画を行わなかったため更にコスモウォーターへ顧客が集中しました。

オリックスのコスモウォーター事業成功の鍵は、泥臭く事業を継続できるかだと思います。旧経営陣が築き上げたインターネット上でのコスモウォーターブランドは圧倒的なパワーを持っているためそのまま継承できるかどうかがキーポイントです。
新社長になり販売戦略の見直しを行う際に、大手広告代理店等を採用すると確実に失速するはずです。ウォーターサーバーはテレビCM等の巨大マスメディアとはあまり相性が良くありません。費用対効果が悪いのです。
しかし大手広告代理店はテレビCMの枠を埋めたがりますので、その流れに沿った提案をしてきます。しかしそこに答えはありません。永久にABテストをさせられることになります。これではいくら広告費があっても足りません。

オリックスが買収してから新社長が就任するようですがどの様な運営をするのでしょうか。

ウォーターサーバー事業はまだまだ未成熟な業界なので綺麗に運用しようとすると失速します。クリクラしかり、アクアクララしかり。。
両社の戦略キーマンがインサイダーなのかアウトサイダーなのかは不明ですが、上記2社がそちら側に舵を切ったのは間違いないでしょう。その結果がシェアの低下です。
ゴリゴリの営業戦略でシェアを伸ばしているのが、コスモウォーターとクリティアですから、もしもコスモウォーターがソフト路線に舵を切ることになるならばクリティアの顧客数がどんどん増えることになります。

ちなみに、ウォーターサーバー関連銘柄はナック(クリクラ)、ウォーターダイレクト(クリティア)、TOKAI(うるのん)、トーエル(ハワイウォーター)、富士の湧水(岩谷産業)といったところでしょうか?
この中で顧客数を伸ばしているのはクリティアとTOKAIです。クリティアは光通信がガンガン攻撃を仕掛けてきます。TOKAIも赤字経営を物ともしない資金力で拡大を続けるでしょう。その他メーカーは・・・コスモウォーターにやられるか???

くまおさんの個人的な見解では「クリクラ」NO,1はまだしばらく続くと考えています。コスモウォーターやクリティアも顧客数がかなり多くなってきましたので、顧客解約問題に直面します。新規顧客を増やしても、解約に歯止めがかからず顧客数が増えないという循環です。

このタイミングで「顧客満足度の向上をはかり、解約率に歯止めをかける」という事を言い出す輩がいます。それ自体は間違っていないのですが、自社の顧客属性をしっかりと把握しないと作戦は徒労に終わります。そして解約は止まらず、新規顧客が増えないという悪循環にハマるのです。
おそらくクリクラとアクアクララはこの循環に嵌っているのでしょう。

そして、海外に目を向けようとします。向け先はほぼ確実に「中国」です。消費大国中国に世界遺産ブランド「富士山の水」を輸出するというプロジェクトが始まります。不思議な事に多くのメーカーが同じことを考えます。
どこも考えることは同じなんですね。これは成功しているメーカーを見かけませんね。どうなのかな〜。。くまおさんも海外は流石に専門外なのでわかりませんが、みんなが考えつくような安易な企画は成功しないだろうなと思います。撤退コストが高く付きそうなので、うまく運営ができる会社が現れたら大手が2番煎じで参入するという流れでしょうか。

こう考えると、オリックスがコスモウォーターを買収したからといって事業拡大が加速する要因は無いだろうと思っています。

あ~~~そうそう、そろそろコスモウォーターのサーバーメンテナンス問題が各地で勃発するのではないでしょうか。オリックスはその辺りわかってて買収したのかな???

ウォーターサーバー業界はインサイダーでいるよりもアウトサイダーとして好き勝手批評している方が楽しいな〜


関連記事


契約していいランキング


おすすめ記事